2002年神無月のかめ

脱衣かめ

2002年神無月のかめ01
2002年神無月のかめ02

友人が、こういうかめを見つけたから、というだけの理由で買ってきてくれた。ぬわんと甲羅が脱げるかめである。名古屋港水族館のお土産やさんで同じものを見つけたが、彼女が買ってきてくれたこのかめの方が微妙に形が良くて美形だった。甲羅から窮屈そうにはみ出している後ろ足のあたりがとってもカワイイ。

子供の時に読んだ創作童話で、大昔、かめは甲羅が脱げたのだという話があった。確か「かめがかめになったわけ」とか言うタイトルで、他の動物たちの名前の由来についての話と一緒に一冊の本になっていたのだった。この物語によれば、甲羅が脱げた頃のかめは「オーバ」と呼ばれており、裸の時はとっても早く走れたそうである。それで動物の運動会の時はいつも一等を取っていたという。ある時長い間甲羅を脱がずにいたら、甲羅と体が癒着してしまい、思うように走れなくなってしまった。すると別の動物たちから「オーバのバ~カ、大バカめ」と囃し立てられ、その「おーばかめ」と言う節回しから「おーば」を取り除いた「かめ」の部分で呼ばれるようになったそうである。子供の時分でさえもこの話は大嘘だとわかってしまったのだが…。友人は、筆者がしたこの馬鹿馬鹿しい話を覚えていて、それでこのかめを買ってきてくれたのだそうだ。