2004年文月のかめ

たまごから出てくる途中のかめ

2004年文月のかめ01

かめコレ増やしマニアでもない友人が、お宅に泊まりに行った際、唐突に渡してくれたかめである。家族でペナン旅行に行った時に買ったそうだ。ハワイに行くか、ペナンに行くか散々迷った末、ペナンにして結局後悔したそうである。

材質は爪で傷が付くような柔らかい石である。黒光りする感じがチョコレートに見えなくもない。

これをくれた「犬のじょん」は、近々カワウソのような顔のオトコと結婚するらしい。思えば二人は複雑な偶然を経て出会ったものである。時は筆者の第一次カナダ時代まで遡る。

語学学校で1ヶ月だけ、しかも1日1時間しか顔をあわせなかったあるクラスメイトと、ある日帰りのバスが一緒になった。その時に筆者は「山小屋で働いていた話」を英語でしたらしい。学校では「English only」とーゆーコトになっていたのだが、学校外で日本人同士が出会った時ですら英語で会話をするという珍妙な現象がそこかしこで見られたものなのである。このような複雑な話題をわざわざ英語でしたナゾ、全くご苦労な事である。

そんなこんなで我々の付き合いは帰国後も続き、彼女のウチに泊めて貰った際、「筆者が働いていた山小屋チェーン勤務希望」の「犬のじょん」に引き会わされた。何か役に立つ話でもしてやってくれ、と言うのである。

筆者が働いていたのはチェーンの4つの小屋のうち、3番人気のみすぼらしい所だった。「犬のじょん」が希望していたのは1番人気の規模の大きい小屋だったが、ここはアルバイトの人数が多く、仕事が細分化されているため、忙しいワリにはイマイチ面白みがなく、お勧めではないという話をし、アットホームで穴場な3番人気の小屋を推したところ、彼女は実に容易に洗脳されてしまった。カワウソのような顔のオトコとはここで知り合ったのだ。ゴメンよ、犬のじょん。アタシがそそのかしたりしなけりゃもっと別の出会いがあったかもしれないのに…。まぁ、二人とも幸せそうだから良いのか。