2017年睦月のかめ

「全力インド映画祭」に持ち込まれた亀仙べい

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ちょうど1年ほど前に、ケビン・ベーコンをフィーチャーした「ベーコン祭」というイベントを、ほんのはずみで知人と共催した。ソレがきっかけで芋づる式に映画好きの友人が何人かできた。以来、彼らとともにレンタルスペース等でしばしば映画観賞会を行ってきたのだけど、その流れで、その名も「全力インド映画祭」を、つい先ごろ筆者の自宅で行った。

何分狭い個人宅なので、参加者は4人、ノートPCのモニタで観賞するというごく内輪の会。とはいえインド感を盛り上げるため、各自「インドっぽい食物」を持参していただく。とりあえずインドカレーがあればそれらしくなろうと考え、筆者自身はレトルトのインドカレーを何種類かと、ホールのスパイスを用意してチャイを淹れることにした。他の参加者の方も工夫をこらし、手作りのカレーやお菓子、(インド産ではない)ワインや(インド産でもない)果物などを持ってきてくださった。

そんな中の一つが、パッケージに「亀」と大書されたカレーせんべい(カメ型)。仕事で度々東京へ行く友人Rさんが東京駅で発見して買ってきてくれた。ドラゴンボールのフェアをやっていたそうで、キャラクターシールのおまけ付き。因みに、今は廃れてしまっている某SNSで、筆者は亀仙人というキャラクターの存在を知らずして「かめ仙人」というハンドルネームを使っていた。(ドラゴンボールはあまり見ていなかったのよ)

ところで、インド映画。

筆者自身もつい最近まで「ムトゥ踊るマハラジャ」くらいしかインドの娯楽映画は見たことがなかったのだけど、少し前に日本でも評判になった「きっと、うまくいく」というインド映画をたまたまレンタルして見てみたら、これがまーオモシロイこと!…という話をこれまたたまたま知人に話したら、「その映画、今どこかで上映中ですよ」とおっしゃる。なんと、この映画の監督・主演コンビの新作(「PK」)が近日日本公開される関係で、前作である「きっと、うまくいく」のリバイバル上映が行われていたワケなのだ。ならばぜひとも新作を見に行かねば!と喜び勇んで公開後すぐに映画館へ。これがまた、期待を裏切らぬオモシロさ!あまりにもオモシロかったので、イロイロな人に吹聴してまわったところ、つられてつい見に行ってしまった友人Aさん、映画館では人目をはばからず号泣し、すっかりインド映画に心を奪われてしまった様子。「インド映画観賞会があれば是非参加したい」とまでおっしゃった。

さて、映画観賞会はこの1年の間にたびたび行ってきた。「皆でツッコミを入れながら見るとより楽しい」映画を厳選し、ある程度の人数が収まる場所を借り、持ち寄ったモノを飲み食いしながら映画を見て、観賞前後のおしゃべりも楽しむ、というスタイル。今月は伝説のカルト映画「アタック・オブ・ザ・キラートマト」をトマト料理を食べながら見る会を開催したのだけど、この映画、近所のレンタル店にはなかったため、旧作のラインナップが豊富なネットレンタルを利用することにした。すると、同様にレンタル店では入手が困難な、見たいと思っていたインド映画も在庫があることが判明。ついでにコレも借りて、Aさんご希望のインド映画観賞会もやってしまおう、と思いついた。名付けて「全力インド映画祭」を開催しましょう、とお誘いしたところ、「全力で参加希望‼️します」と返事が来た。

ところで、インド映画というのは上映時間が3時間近いのがフツー。「祭」と銘打ったからには2~3本見たいところではあるけれど、1本がただでさえ長いので、気力的に難しそう。これでは全力感も祭感も全然足りない。せめてそれらを少しでも増すために、イロイロなインド映画のトレーラーやミュージカルシーンを集めたYouTubeのリストを作って、映画を見ていない間流しておくことにした。お陰でウチにたどり着いたヒトビトはのっけからインドの空気に没入できたようで、インド映画についての話も盛り上がった。ただし開催直前に思いつきで作ったため、リストに入れられたのは筆者が最近見聞きした数作品のみ。皆さんのおしゃべりから思い出した作品を後から追加しておいた。

インド映画の見どころは、なんといってもミュージカルシーン。恋に落ちた瞬間の気持ちを歌と踊りで表すパターンが結構多くて、当事者にとって都合の良すぎる妄想っぷりがサイコー。近頃はSF作品も作っているようで、CGのクオリティはハリウッド映画にも引けを取らない。ストーリーは荒唐無稽なところが多いけれど、アメリカ映画の荒唐無稽さ・大雑把さとはまた違った「なんか許せちゃう」感がただよっている。それというのも、観客がより楽しめるものを求めて、ありったけのサービス精神で製作しているからであるような気がする。インドでは映画は本当に究極の娯楽なのかもしれない。
 
因みに、今回観賞したのは「チェイス!(原題:Dhoom 3)」。メインの舞台はナゼかシカゴ。「きっと、うまくいく」の主演俳優アーミル・カーン氏が悪役として出演、というかほぼ主演している。インド人刑事コンビのシリーズ物の3作目で、日本でも有名になったカーン氏が出演しているため、この回だけ日本でも劇場公開されたらしい。…という事実には、観賞のほぼ終わりかけた頃に参加者のヒトリであるHさんが気づいた。あれ、てことは、ワレワレ、感情移入する相手を間違えてた?と思ったものの、この回、ヤハリ主役はカーン氏なのだろう。インド版のポスターでも、彼のほうが刑事役の俳優より写真の面積が格段に大きいw

ブロードウェイ・ミュージカルのようなかっこいいタップダンスのシーン、ストーカーまがいの恋愛妄想ダンスシーンもたっぷり、派手なバイクアクション、007やバットモービルも顔負けの若干意味不明ガジェットなどなど、見どころ、ツッコミどころ満載。インド映画では大抵中盤に入る「休憩」の指示に忠実に従い、まだ90分も楽しめるんだ\(^O^)/と喜びながらカレー休憩を1時間ほど取りつつ、のんびりワクワクの観賞会を堪能したのであった。