2021年皐月のかめ

鳴海絞りの親子Tシャツかめ

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中学生の時にハハと鳴海絞りの体験教室に通って作ったTシャツ。鳴海絞りのかめという過去の投稿に、ジブンのTシャツだけ掲載してあるのだが、今年に入ってハハが亡くなり、膨大な量の衣類などの整理をしていてハハの方のTシャツが見つかったので、並べてみた次第。

教室の先生は、近清商店の社長さん。ハハの方のTシャツに社名のタグが付いていたので、ぐぐってみたらWebサイトが出てきた。今は「有限会社こんせい」となっているようで、社長も代替わりしているよう。

絞り染めというのは、糸で布をきつく括っておいて、その状態で染料に浸け込むのだけど、括ったところは染料が入らず、白い模様として残る。総鹿の子絞りなんかは布全体を細かく細かく括って作る、たいそう手間のかかるもの。ちなみに、ワレワレの作品は、単にかめの形に括っただけで技術的に何も難しいことはしていない。

教室では仕上がった作品の人気投票が行われて、ワレワレの作品は見事上位に食い込んだ。というのも、すこしズルをしていて(入賞目当てではないのだが)しっぽのところだけビーズ刺しゅうを施して、ちょっとオシャレ感がアップしていたせいかも知れない。

この教室には近所の別の親子も参加していて、その親子もズルをして、確かキリンの絵柄に刺繍糸で鬣をつけてオシャレ感をアップしていたので、ヤハリ人気投票で上位に食い込んだ。母親と筆者のハハはたいそう仲良しだったのだけど、筆者は同い年のムスメとは仲が悪かった、というか、とてもとても性格が悪く、絶えずいじめのターゲットをみつけては意地悪なことを言ってくるような子だったから、筆者はその子が嫌いだったし、向こうは筆者のことをバカにしていたと思う。今で言うところの、スクールカースト高めの子と、低めの子だったわけ、ワレワレは。オヤたちはそんなことはつゆ知らず(たぶん)。

この親子は今で言うところの友だち親子感があり、よく二人でお買い物やらなんやらお出かけをしていた。そんな様子を良さげと思ったのであろうハハから、この頃お買いもやなんやらに誘われ気味だったような気もする。そういう親子じゃなかったんだけど、ワレワレは。筆者とハハは、仲が悪いわけではないけど、とりわけ仲良しというわけでもなく、趣味の合う話題はあまりないから、友達とのようにわざわざ会っておしゃべりするようなこともなく、淡白な関係だったと思う。

ハハはよく「ウチはモンゴル式」と言っていた。ハハによると、モンゴルでは末っ子がオヤの面倒を見るからだという。ハハの言うことは多分に信憑性に欠けるので、いちおうぐぐってみると、モンゴルでは確かに「末子相続」という慣習があるようで、ウィキペディアに寄ると「末子は最後まで親許から独立せず、親が死ぬと親の手許に残った財産をそのまま相続することから、末子相続が生じる」のだそうだ。ハハの言い分とびみょうに違うな…(^_^;) 筆者は親元から独立してるし、すべての財産を相続するわけでもないwww とはいえ、他のきょうだいより親元に遅くまでいたのは確かだし、実家を出てからも一緒に旅行に行くことも多かった。晩年はイロイロ頼りにされていたし、他のきょうだいより一緒にいる時間が長かったとはいえる。

そんなワケで、ハハの最期あたりを看取ったのは筆者となる。正確には死に目に会えたわけではないけれど、入院中に用事を言いつけられたり、病院や葬儀社とのやり取りをしたり、ハテは膨大な遺品(というかガラクタ)の整理をしたり。とりわけ遺品(というかガラクタ)という負の遺産は多分に相続しているようなもので、日々泣きそうになりながら、未だ格闘しているところである。というか、物量が膨大すぎて、永久に終わる気がしない。不用品を相当処分したはずなのに、実家のどの部屋も一向にキレイになった気がしない。品目ごとに買取業者を選び、オカネに変えたり無料で引き取ってもらったりしているが、そういうヒトビトも同じような状況の子らのところを回っているらしく、どこもそんな感じですよー、大変ですねーとおっしゃるのだ。

遺品整理が辛すぎて、悲しい、寂しいという気持ちは割と早い段階で消え失せた。それもお母さんの配慮かもしれないよ、と言う知人もいるw