2025年弥生のかめ
フィリピンの先生にいただいたキーホルダーかめと、うしの旅
今月のかめの更新頻度は、このところ年に1回以下となってしまった。筆者自身がかめ好きアピールをしないどころか、過去のかめたちをフリマアプリで売りに出したりしていたりもして、むしろ手放し始めているから、というのもその一因ではある。そんな折、珍しくかめグッズそのものが我が家に仲間入りした。
実は1年ほど前から、オンライン英会話のレッスンを始めた。かつて、海外に住むために渡航前に独学で会話力は身につけ、その後も不定期に海外のイベントに参加し続けることが10年以上続いたので、日常会話程度の英語なら問題なく話せ、敢えてそれ以上上達させる必要性がなかったので、英会話学習には興味がなかった。
ところが2年前に、以前とは全く別分野の海外イベントに参加し始め、そこで話されていることがあまり理解できておらず、さらにはジブンの英語での表現力も大したものではないということに気づいた。とはいえ、日本に住んでいると英語など全く必要ないから、そんな事実はすっかり忘れ、それから1年、2度目のイベント参加の約1ヶ月前、そういえばジブンの英語力はイマイチだったなあ、ということをふと思い出した。
英語学習に興味がないから全く知らなかったのだけど、昨今のことだから、オンラインで学べる何かがあるに違いないと思い、ぐぐってみると、あるわあるわ。意外とお手頃価格のプラットフォームが。そんなこんなで、2度目のイベント参加の直前というタイミングでオンライン英会話を始めた。
ちなみに、件のプラットフォームでは日本人講師の需要が異様に高い。講師になってジブンの生徒アカウントと紐づけた上で、ある程度の量のレッスンをこなすと、生徒として支払っている月額利用料が実質無料になるので、そんなかんじで、ジブン自身も学習しながら講師をやっている人が多いということに気がついた。需要があるから運営側としてももっと日本人講師が必要なわけで、外国人講師に比べて講師になるハードルは低めに設定されているっぽい。というわけで、今は筆者自身も講師となっている。
すなわち、こういった学習プラットフォームで講師をやっているのは、プロの英語教師というわけではなく、世界各地の一般のヒトビトが多い。とくにフィリピン人の講師が多く、日本との経済格差を利用して、安い利用料での学習環境を提供しているという側面もある。

筆者がお世話になっているのもフィリピンの方が多く、何度か受講するうちに個人的な親しみを覚える方も何人か出てきた。そんな折も折、3回目のイベントの開催地はフィリピンのマニラに決まる。当然、レッスン中の雑談で、近々フィリピンに行くんだ、という話になる。とりわけ、いつもレッスンの序盤に筆者の所持するうしのぬいぐるみに適度に反応してくれていた女性の先生が「ぜひ会いたいわ」と言ってくださったので、筆者がマニラから他の街へ移動する際、先生のお住まいの近くのバスターミナルで待ち合わせをすることにした。
イベントが終わった翌々日、筆者は休暇を過ごすため、マニラより北の高原にあるバギオという街を目指した。この街のことを知ったのは、他の先生が休暇で家族旅行に行ったという話をしてくれたから。バギオはフィリピン人に人気の観光地で、熱帯の国にありながら、標高が高いので夏でも涼しく、苺なんかの温帯~亜寒帯で生育する果物も栽培しているという。海よりは断然山派の筆者は俄然興味を持った。
実は、南国に赴くたびに涼しい地に向かっているという事実に気づいた。西アフリカのガーナに行った時も、地元民の避暑地であるアメゾフェ村を訪れた。タイに行った4度のうち2度は北部の都市、チェンマイに滞在した。季節は秋が一番好き。とにかく筆者は涼しいところが大好きなのだ。できれば常秋の国に住みたいとすら思っている。
マニラからバギオに行く一般的な手段は、長距離バス。メトロ・マニラ内には2箇所バスターミナルがあり、筆者が滞在していた空港近くのパサイというエリアと、先生のお住まいの近くのクバオという地点。公共交通手段を使って1時間ほどでたどり着けるので、バギオに赴く際に、クバオから出発することにして、その付近で一緒にランチをすることにした。
ところが。
筆者が宿から1時間かけてクバオのバスターミナルに到着した時、先生から「行けないかもしれない」と連絡が来る。旦那さんがバスルームで転んで頭を打ってしまい、心配だから、とのこと。なんというタイミングの悪さ(^_^;)
そんな状態なら先生が出てこられる可能性は低いな、と思い、予約してあったバスをさっさと早い便に振り替えてもらい、バギオに向かってしまった。


ところで、先生に会うにあたって、筆者はうしのぬいぐるみ他、いろいろギフトを用意していた。実はこのうし、特殊な手段を使えば他の個体を手に入れることができた。というのも、このうしは日本全国各地の観光地で見られる「ぬいぐるみくじ」のうちのひとつで、筆者がよく訪れるとある南のしまの施設で入手できる黒毛和牛のぬいぐるみなのだが、1000円の料金を払ってくじを引くと漏れなく貰える。くじは1等から4等まであって、引き当てた等によって貰えるうしの大きさは異なる。
どうしても大きいのがほしくて何度もくじを買い、宿泊先などに小さいうしたちを置いていってしまう人もおり、筆者の定宿の民宿には一番小さいうしが溜まっていることを知っていた。民宿のご主人に訊ねると、案の定、現在5頭在籍中とのこと。差し支えなければ1頭譲ってくだされとお願いして送っていただいた次第。ちなみに、送料のほうがくじ代より高いw

よく、観光地でぬいぐるみ入りの写真を撮って、ソーシャルメディアにアップロードしている方がいるが、これまで筆者はそういうことには無縁だった。自分自身のうしをはじめ、かわいがっているぬいぐるみはあるのだが、旅先でウッカリなくしてしまう恐れがあるから、決して家から持ち出さないからだ。がしかし、今回に限ってはぬいぐるみとともに旅をするという稀有なことができたわけで、マニラで利用したコンドミニアムで写真を撮ってみた。ぬいぐるみにポーズを取らせて写真を撮るって、存外難しいのねw
とはいえ、うしの新しい飼い主には会えずじまい。先生のお宅に郵送するか、とかいろいろ考えた。というのも、バギオからはマニラの空港へ直行するバスがあり、帰りはそれを利用するつもりだった。先生の家の最寄りのクバオに向かうことも考えたが、そこから空港へは1時間近くかかり、ジブン自身の負担が大きい。若い頃と違って疲れやすいので、無理は禁物。とはいえ、次にフィリピンを訪れる機会もそうそうなく、コレを逃すと先生と会うことは当分できない。考えあぐね、空港に近い方のパサイのバスターミナルに先生に来ていただくことにした。


そんなこんなで、うしは筆者のフィリピン旅行中、ずっといっしょにいてくれた。ぬいぐるみとともに旅をするなど、また誰かにうしをあげる機会でもなければ二度とないであろう。
先生とは無事に空港近くのショッピングモールで会うことができ、(先生の旦那さんが)フィリピン料理をごちそうしてくださった。ご自身のせいで当初の約束が実現できなかったのを悪いと思われたのかもしれない。
滞在中はストリートフードやビアバーのおつまみなど、雑な食事しかしておらず、きちんとしたレストランでフィリピン料理らしいものを食べたのは、最終日にしてコレが初めてだったかもしれない。
チェーン店でのカジュアルなお食事は意外と高額で、日本での外食料金とさほど変わらない気がした。フィリピンの平均所得は日本の数分の一くらいだと言うから、一体どういう所得層の人がこういうところでお食事をするのだろう、と疑問に思った。たぶん先生のお宅は平均より裕福なのだろう。
うしの話ばかりになってしまったが、かめの話に戻そう。先生の方でも筆者にギフトを用意していてくれて、それがかめのキーホルダー。
そして、予想はしていたが、帰国後の先生とのレッスン(レッスンと言うより、ほぼ友達同士の日常会話)では、お互いのうし(+かめ)の見せあいっことなるw