2003年文月のかめ

ベネチアンぽい・べねちあん・かめ

2003年文月のかめ01

以前も「べねちあん・かめ」が登場したが、こちらの方がベネチアンガラスの特徴が良く表れている。ミッレ・フィオーリ(=千の花)という技法らしい。見れば大体製作過程の想像はつくと思うが、既に内部に模様の施されたガラス棒を束ねて焼成し、冷え切る前に薄切りにする。そうすると金太郎飴同様に、同じ模様の薄切りが量産できるワケだ。このかめなんかは余ったガラス棒で片手間に作ったような感じだが、大皿や花瓶などの大作も作られている。ケバケバしすぎて悪趣味の一歩手前、なんて物も少なくはないのだが…。

本品はベネチアの空港で、リラを使いきるためにした買い物の一部。ホレ、この国も通貨がEUROに変わってしまう予定だったから。手元に残ったのは日本円にして100円程度で済んだ。しかし、通貨が切り替わる前にこの国を再訪する機会が降って沸いた。100円分のリラを使う機会が訪れるかに見えた。が、不思議な事に、話を持ち出した相手の勝手な都合で、十分な説明もないまま、その機会は唐突に消え失せてしまった。筆者の手元にあっては無価値な代物となった少額のリラは、同じ時期にイタリアに出かけた知人にくれてやった。まー100円でもコーヒーくらいは飲めるからね。そのまま無駄にするよりマシだったかも。