2006年文月のかめ
ルートヴィヒ2世風・噴水かめ
バイエルン王・ルートヴィヒ2世の作った城、ヘレンキームゼー城の噴水池の中のかめである。
ルートヴィヒ2世は、あのノイシュバンシュタイン城を作った人。城を作り過ぎて国庫を破綻させたツワモノで、最後は自殺とも他殺ともつかないナゾの死を迎える。そんなハナシはオペラかなんかにもなっていて、なかなか人気があるらしい。
キーム湖はミュンヘンとザルツブルクの中間にあるドイツで2番目に大きい湖。ヘレンキームゼー城はその中に浮かぶ大きな島に建設された。ベルサイユ宮殿を模した作りだそうで、内装は豪華絢爛。バロック風のゴテゴテした装飾には金箔が張り付きまくっており、壁材の大理石は天然モノから人造モノまで様々な色を取り揃え、さながら箱根の寄木細工のよう。有料のガイドツアーに参加しないと見られないが、一見の価値あり。英語とドイツ語のツアーしかなかったが、その日が初英語ツアーだという若いお姉ちゃんに当たり、実にたどたどしい語彙に乏しい解説だったため、むしろ筆者にはわかりやすかった。
ところで、このかめ、様相はまるでガメラ。火を噴くがごとく水を吐きまくっている。はっきり言ってコワイ…。で、この噴水、遠くから見ると背景ともマッチしてなかなか美しいのであるが、かめの部分だけ見てもわかるように、近くで見るとかなりグロい。一番下の段はかめとトカゲが交互に並んで「爬虫類の段」を成している。ルートヴィヒ2世、なかなかスゴい趣味をしていたようだ。それとも、ベルサイユ宮殿の噴水もこうなんですか???
さらに。
その上の段は、なんと、なんと、カエルと、人が~~~!人までもが~~~~~!!!水を吐き出している~~~~~~~!ココまで来るともはやシュールリアリズムである。バロック様式のハズなのに…。進んでいたんだなぁ…。ルートヴィヒ2世。やはり稀代の人だったのであろう。